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Iターン:出身地以外の地域で仕事を持って暮らすこと。Jターン:出身地以外の地域で仕事や学業をした人が、全く違う地域で仕事を持って暮らすこと。Uターン:出身地に戻り仕事を持って暮らすこと。
「とすると、私はNターンになるんでしょうか?それって珍しいのかな」
と笑うのは、豊橋市在住の大竹広治さん。バイオリニストとして、また作編曲家として活動中の男性である。1972年東京生まれ。幼稚園の時、父である故・大竹一友豊橋技術科学大学教授とともに豊橋市に移転した。バイオリンを始めたのは4歳の時。東京で故・倉上邦世氏に、豊橋では松本茂氏、故・阿部靖氏、水野佐知香氏らに師事した。豊橋南高校卒業後、東京芸術大学に進学。大学在学中から放送音楽の分野で活動し、卒業後はNPO法人RMAJ会員として多数のレコーディングに参加した。ソロではNHK大河ドラマ「北条時宗」、映画「極道の妻たち」などでその響きを披露、ミュージカル「アニー」では編曲を担当している。
「豊橋に帰って来たのは2002年秋。東京での仕事が順調なのになぜ?とよく尋ねられますが、東京には本来的な意味での芸術を育てる土壌、オーラがない。私が求める音楽は、豊橋のような自然の中でこそ表現できるのではないか、と常に感じ続けていました」
ゆとりの中で子育てをしたいとの思いもあり、長男・のぶゆき君の入園を期に家族で帰郷。現在は東京と行き来して音楽活動を続けながら、豊橋での活動の土台づくりに奮闘している。
「豊橋は多くの音楽家を輩出し、また豊橋交響楽団という優れたオーケストラもある素敵な街。音楽をはじめとする芸術を醸成する豊かな土壌を持った街だと思います。せっかく帰ってきたのだから、故郷の可能性を伸ばすための活動をしたい。そう考えて、今、高校時代の友人たちと『音楽を軸としたまちづくり』のためのNPO法人設立を計画しています。」
大竹さんたちが構想しているのは、様々な音楽活動を通じて地域の人々に音楽の楽しさを紹介し、また優れた音楽家を育成していくためのプログラム。大竹さん自身の演奏会を含めたコンサートの企画、学校での音楽指導やスクールコンサート活動、音楽家育成のためのオーディション、著名な演奏家による公開レッスンなど、多彩なプランを温めている。
「街の皆さんと協力し、私のささやかな経験とネットワークをうまく活用して、豊橋の可能性を開花させることができれば素晴らしい。この街の美しい自然の中に多くの音楽家・芸術家が暮らし、それぞれの活動に打ち込める豊かな環境を創り出すことができれば本当に嬉しいです。」
故郷・豊橋へのあたたかな思いを胸に、勇気あるNターンを実現しようとしている大竹さん。彼の奏でる優しい音色は、この街の未来をどんな色に染めてくれるのだろう。大竹さんと仲間たちの今後の活動に期待したい。
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